マコがスペインのバル文化について熱く語る

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マコがスペインのバル文化について熱く語る

今日はここ数年のブームで、
日本でもすっかり定着した感がある『バル』について語ってみようと思います。
自分にとって『バル巡り』は、スペインに行く楽しみの一つ。
街中に無数にあるバルの中から勘で選んだ店が
当たりだった時はテンションが急上昇します!

スペインに行くたびに訪れる馴染みのバル、
初めて入るバルそれぞれに面白さがあります。

 

地方によってはっきりキャラクターがあるのもポイントですね。

 

自分はスペイン北部のバルについては何も知らないので、
ぜひ一度行って見たいと思っています。

さて、そんな楽しいバルですが、
日本で『あのバル』を探そうと思うと非常に難しい、、、

スペインでバルの楽しさにハマった人なら
分かってもらえると思いますが。

食材のせい?
日本人の好みに合わせて味を変えているから?
そういう事じゃないんだよな。。。
そんな時、日本でバルをやっている
スペイン人の親子がインタビューを目にしました。

記事の中で日本にあるスペインバルへの
不満を語っていたんだけど、、こんな内容でした。

※インタビュー抜粋
【父】この数年、一気にバルが増えたけど、頭にくることが多いね!
     内装ばっかり立派で気持ちがない店が多すぎる。
【息子・ビクトル】スペインバルっていうのは、
一時のブームや繁盛店をつくるためのヒットコンセプトで終わらせないで欲しい。

     生ハムも置いてあるだけのオブジェのように扱ってる店が多すぎるよ。【父】その通り!生ハムは切り方ひとつとっても奥が深いんだから。
バルは、スペイン人にとっては「日常」。居酒屋とコンビニ、カフェを全部足したような……
     お酒を飲むだけじゃなく、電話を借りに寄ったり、
     10分時間が空いたらスロットやってみたり。

お父さん、結構怒ってますね

まぁ内装が綺麗なのは全く悪いことではないですけど、、(^_^;)

でも!


『居酒屋とコンビニ、カフェを全部足したような
場所』
という表現には納得しました!
それそれ!
もう少し具体的に、
自分のイメージの典型的なバルを書くと、

例えば1日の時間ごとの雰囲気はこんな感じ。

【 朝 7時頃 】
日本のように
『しっかり掃除が終わってから開店!』ではなく、

まだ準備しながらでも開いていて
出勤前の人たちが新聞を読みながら朝食を。

と言っても、ビジネスマンだけではなく何となく
プラーっとしてる人も結構いて和やかな雰囲気。
朝食は家で食べてきてコーヒーだけの人もいれば、
パンにトマトやハムや思い思いの物を挟んだトスターダと、
生搾りのオレンジジュースでがっつり朝ごはんをとる人もいます。
まだ起きたてで慌てて家を出てきた人の中には、
ココアやホットチョコレートですませる人も。

【10時半頃 】

学校や会社の休憩で街に人が出てきて、
コーヒーでブレイクタイム。
朝を食べ過ごした人はこのタイミングで何か食べ物を。
この時間になるとコシネーロ(料理人)の用意が済んで、
だんだんタパス(小皿料理)がガラスケースに並び出します。
朝からずーっと居て、
テレビを見ながら喋ってる人、
すでに一杯始めてる人もいます。

【12時過ぎ 】

店内は少し早めのランチタイムに。
スペイン、特にアンダルシアは
学校も職場もとにかく家の近くが基本なんで、
一度家に帰って家族と昼食を取るのが普通。
この時間はちょうど帰宅途中にあたり、
家で食べる前に「ひとつまみ」とか
「友達や同僚と1杯」っていう人が多いです。
昔ながらのバルだと、
この時間になるとコーヒーを出してくれない事も。
コーヒーマシン?を一度洗浄して、
『今はコーヒーの時間じゃないよ』と意外に頑な。。。
「食事の時間はアルコール。コーヒーは食後にね。」という事らしいです。 (-。-;

【14時過ぎ〜 16時くらい】

一般家庭で昼ごはんが終わり、
家で休憩する時間(いわゆるシエスタ)
になると店内はかなり閑散とします。(観光地でない限り街全体が閑散とするので閉める店も多いです。)
この時間に行くと、
いつもは忙しそうなカマレロ(ウェイター)達も長話に付き合ってくれます 笑

【17時頃 】

長ーい昼休みから会社に戻る人達を中心に、
また街に人が出てきます。
この時間はシエスタ明けって事なのか、コーヒーがまた復活。
そしてその傍らでもう仕事終わりの人や、
そもそも何をしているかわからない人達が
ビノ(ワイン)やセルベッサ(ビール)を注文。
飲んでいる人の割合が完全に勝ってます。
タパスも軽食とは呼べない量のものが増えてきて、
いよいよ盛り上がり始めます!!!
スペインで17時はまだ昼間のような明るさだから、
雰囲気としては日本の土日の昼間に家族連れで
ごった返しているレストランのテラス席みたいな感じ。
例えが分かりづらいですね、、、

【20時過ぎ 】

会社帰りの人たちが、
家族や友人と合流してつまんでいます。
この時間になると流行ってる店とそうでない店の明暗がはっきり。
繁盛店の混み方は山手線の車内並みで、
そうそうの大声では注文も聞いてもらえません。
自分は最初この喧騒の中で注文するのが苦手だったけど、
慣れてくるとこのガヤガヤが、祭の出店に来てるみたいで面白くなります。
何と言っても素晴らしいのは、大人も子供もみんなが楽しんでるって事!
おじさん達が子供のようになってます。
そしてこれが22時を過ぎても(週末なら24時くらいまで)続きます。
さすがスペイン!
と、まぁこんな感じでスペインのバルの1日は過ぎていきます。

同じ店でも時間帯によって店のキャラがまるで違うところが面白くないですか?

自分にとってバルの醍醐味は、『店員や他の人とのコミュニケーション』

例えば朝は、出勤前に次から次へと入ってくるお客と
店員のテンポの良いやりとりに目を奪われます。
コーヒーのオーダーひとつとっても、
濃さやミルクの割合、カフェイン抜き、温度なんかをみんな好みで注文します。
それぞれのタイプごとに名前がついてるので、
本当に一言か二言の注文なんだけど
お客も特に並ぶわけでなくカウンターのあちこちから頼んで行きます。
しかも一度に5,6人の注文なのにオーダーミスがほとんどない!!!
もちろん店員もすごいんだけど、
お客はお客で何と無く全体の空気を見ながら
今はいいな、っていうタイミングで注文して行くんですね。
さりげなーーい空気の読み方。
自分が最も苦手とするところですね、、、、
そして「おはよう」や「こんにちは」、「こんばんは」の
一言の挨拶が本当に気持ちいいんです。
入り口から『おはよう!』といって入ってくるおじさんに、
店にいた他の人が『おはよう!』と返したのを見て、
はじめは「あぁ知り合いなんだね」と思ったんだけどどうやら違うんです。
知り合いじゃなくても挨拶されたので返してる。

それだけ。

さらによく見ていると、
挨拶してる側の人はその場に居合わせたみんなに向かって言ってるんですね。

大きい声でもなんでもないんだけれど、誰にともなく、でも店の全員に届くくらいに。
自分もある日思い切って気持ちをその場の人に向けて『おはよう』と言ってみました。

すると、

おじさんが新聞から一瞬目を挙げて、
『おはよう』
ジーンときたというか、
たったそれだけのことなんだけど、自分はそれからしばらくは挨拶マニアみたいになってました。
『たとえ見ず知らずの人とでもその場を共有してる』っていうのか、
自分はスペインに行くまでは経験したことがない感覚でした。

さらに常連になれば本当に個人としての付き合いになって行く。

そこにはマニュアル感ゼロの気持ち良いやり取りがあるんです。

たかが挨拶、

されど挨拶。

極めつけは夜!!

さっき「何と言っても素晴らしいのは、大人も子供もみんなが楽しんでるって事!」
って書きましたが、これって実はすごいことです。
大人が『子供のためだから我慢して』付き合ってきてるわけじゃなく、
週末によくある風景のように大人が『仕事の愚痴を悪酔いして大声でまくし立てて』いるわけでもない。

老若男女みんなが近所のバルであくまで自然に楽しんでいる。

小さい子供のことも周囲の大人全員でなんとなく見ている。

そんなバルが最も盛り上がるのが、
週末のサッカーの試合日!!!
みんな自分の家のテレビじゃなくて、
バルのテレビにかじりついて大応援団になります。

本当に店からはみ出して、
外で飲んでる人もたくさん。

テレビ見えてんのかなぁ??
そんな人集りだからそこここのバルから、
チャンス&ピンチのたびに大きなため息が。

そして点が決まると、古舘伊知郎や、カビラくらい気合が入った

ゴーーーーーーーーーーーーーーール!!!!

が響き渡ります (°▽°)

ものすごい一体感。

もちろんほとんどの人が地元のチームを応援してます。

地域密着の究極系だな。

そりゃ リーガ・エスパニョーラが盛り上がるわけだ。

そうそう 急に話を戻すけど、そういえば、
スペインで悪酔いして道端で吐いてる人って本当に一人も見たことがありません。

一人も!

みんなリラックスしているけど、
自分だけが楽しむのではなく周り全体の空気を感じている。

すごく良い意味での社交性が高いんだと思います。

自分の自由を主張するだけじゃなく、
他人の自由とも共存しているってことを感覚的に理解している。

そんな感じでしょうか。

バルとは。
さぁ
ここまで自分の見て来たバル像を話してきて、
何が言いたいかというと、
バルって単なる飲食店に止まらずに、
スペイン文化のかなり根本的なところにあると思うんですね。

街の中にバルがあるんじゃなくて、
バルがあるから街ができてるんじゃないかと思うくらい。

あえて味や食材のことに触れずに話しをすると、
自分がなんでここまでスペインのバルが好きかというと、
人間が人間の顔をしているから。

店員っていう役目じゃなく、
その人の素(す)で働いているから人を気持ちよくさせる。

(素すぎて時には喧嘩にもなる。それも悪くはないと思う。)

そこに通うお客も客っていう立場じゃなく、
職業も年齢も関係なく、居合わせた人と時間を共にしている。

何かと外面を整えようとしてしまう自分には、それがすごく眩しく映るのだ。

そんな『素』でも、人が来てくれる。

ある時は立ち去り、違う日にはまた立ち寄ったりする。
朝も夜も、
静かにいたい時も盛り上がりたい時も、
『いつも変わらずある場所』
家とは別の、

もう一つの『いつでも帰れる場所』。

その存在がどんなに人生を柔軟にするんだろうか。
ロイドもそうなっていきたいものだ!
この記事を終えようとして、ふと
もしロイドでバルをやったらどうなるんだろうな???と考えた。
アート系、ロゴや看板は絶対まっちゃん。

調理はあやちゃん、そして知る人ぞ知る、
だがまっちゃんは実は料理もうまいのだ。

そして衣装を見ての通りあやちゃんは美的センスもOK!

なら自分は?

んん、

自分は、、、、

間違いないところだと、飲み食いと皿洗いは頑張れるな、と。

求める人(食べる人)がいるってことも大事ですよ。

全ては需要と供給のバランスなのだ 笑