スペインでフラメンコのライブを企画する3つの方法!@あべまこと

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スペインでフラメンコライブをしたい人必見!マコによる体験リポート

少し前テレビで、芸能人が外国に行って「誰々が〇〇の国で××に出場しました!」みたいな企画がよくやってましたよね?
フラメンコを何年もやっている人の中には「いつかはスペインで!」なんて考えている人もいるかもしれません。
今日は「スペインで自主ライブをやろう!」がテーマです。
そんなのは限られた人がやるんでしょ?と思ったあなた!
実は、「スペインでライブをやる」っていうのは、
決して難しいことではないんです。
実際に自分はスペインのセビージャにいた時期に
何度かライブをしたことがあります。
カンテライブ(歌とギターだけのライブ)の時もあれば、
踊り伴奏の時もあったしフェリア(春祭り)でやったこともあったんですけど
今日は、それが自慢話でもなんでもなくて、
本当に誰でもできるというのを分かってもらうために
自分の体験談からお話ししますね。
いろいろ難しい事を考える前に
何より一番伝えたいのは『スペインでライブをする面白さ』。
別にフラメンコの本場だからって理由だけじゃなくって(自分は最初そうでした。)
実は、スペインはどんな規模の会場であっても、もしそれが路上であっても
お客さんがみんな音楽の聴き方がとってもうまい!
音楽と付き合うのに慣れてるっていうのかな。
それもそのはず。子供の頃からバル文化の中で育った彼ら。
ちょっとした広場に面してるバルなら必ず
「何かしらのバンドが来て演奏する」→「チップを回収?しにくる」→
「ちょっと会話して」→「お客さんはまた食事へ、バンドは次の店へ」
っていうのが当たり前の光景だから、身構えて音楽を聴いたり、
途中で立ち去りにくいから近付かないでおこうみたいな人が全くいない。
みんな自然体。
曲が良いと結構遠くから『ヒューーーー』と指笛が聞こえて来て、
「あんな場所の人も聴いてたんだ」なんて思ったこともあった。
そんな人たちだから、
そこが由緒ある劇場だろうが、小さなライブハウスだろうが、
もし、たまたま入った店で知らない異国人が演奏していようが、
『聴く』のが、そして『乗せる』のがとてもうまい!
「うまい」「下手」で語るのはおかしいんだけど、、、
演奏の合間に近寄ってきて相当熱く語りかけられて、
あまりの熱さに聞き取れず「ありがとう!!伝わったよ!!」と、なんとか返したこともあれば、
アンダルシアのおじさんによくいるタイプで、、、
「今日は素晴らしかった!」の熱弁が途中から、→「お前らはもっとフラメンコを勉強しろ!」の説教へ、
さらに→「俺は昔〇〇だった」の自慢話。と慌ただしく展開することもしばしば。(^_^;)
で、一番嬉しいのが「気に入った!お前やるな!飲もう!!!」と言って、
一杯おごってくれて、最終的には一緒に歌うみたいな人。
ごちそうさまです!
演奏中も、演奏後もこの「個人の顔が見える熱い反応」がたまらない。
一番伝えたい「スペインでライブをやる」醍醐味はそこ。
別に煽るつもりはないけど、あれは一度やったらハマりますよ。
どうですか? やってみたくなりました?
では早速準備をしましょう!!
ということで、差し当たり何から?と言うと、
まず、場所選び。
ライブハウスって日本でも「このレベルの人はこの場所」とか
「あのくらいの人になったら、もうココにはでない」みたいなラインがなんとなくあるんですけど、
スペインは日本よりもそれがはっきりしてるんです。
だから、無名の人がいきなり老舗に出られるわけはないけど、(まぁそれは世界各国どこでもだろうけど、、)
逆に言えば、アマチュアとかセミプロみたいな人が使っている場所を探せばチャンスは全然ある。
どうやって探すかというと、
フリーペーパーやWEBで探すとそれなりの人がでる店が多いので、
見るべきは『街中のチラシ』。
スペインは街を歩くとかなり張り紙が多いです。
街中にバーンと貼り出された有名どころのポスターのすぐ脇にある白黒コピーのチラシに目をやると、
「貸し部屋紹介」や「語学スクールの宣伝」に混ざって「ライブ」のチラシがけっこうあります。
この手のライブ会場が狙いどころ。
しかも、この張り紙はかなり頻繁に更新される(つまり剥がされる 笑)ので新鮮!
今、活発にライブが行われている場所が一目瞭然。
電話番号が書いてあるはずなのでいきなりかけて交渉でも良いけど、
スペイン語がおぼつかない人は実際に場所まで言って店の人と話せば大丈夫。
お店の雰囲気も見れるから、自分は実際に下見がてらライブを観に行く事をお勧めします。
気に入ったら終演後、オーナーを探して話しかけてみればOK!
あっちも「こいつは何かやりたくて来てるんだな」って分かるから、
話そのものが伝わらないってことはないはず。
※この辺の交渉の時に使う最低限のスペイン語は、また別の機会に書きますね。
ここからはもう少し具体的に考えると、
ライブだからお金とかリハも気になるところですよね。
お金のことは、多少の会話力と慣れが必要。
と言っても、かなりシンプル。
設定した入場料(ENTRADA)を歩合を決めて自分と店で分ける感じ。
この割合は、オーナーの人柄や自分との関係次第で幅が広いです。
全額もらえたこともあれば、半々だったこともあります。
この交渉の時、『ん?こいつは面白いやつだ』と思わせられれば、それが最後の一押し。
有利な条件を引き出せるかも?!です。いかにもスペインっぽいです。
ちなみに、日本だと場所貸しで客入りに関わらず会場代をお店に払う場合もあるけど、
スペインでは自分は場所代としてお金を取られた経験はありません。
もしライブ自体が自分の企画ではなくて、バンマス(ライブのリーダー)に誘われての出演なら、
出演交渉の時点で例えば「50ユーロでどう?」「OK」っていう感じで額が決まるのでそれ以上考える必要はなしです。
最後に、
もしあなたが踊り手ならリハは気になるところかもしれませんね。
ご想像の通り、スペインのミニライブでは基本的にリハはないです。
一度『T de Triana テ・デ・トゥリアーナ』っていう
アマチュアの人がよくライブをしているセビージャのバルでのライブに呼ばれた時の話。
ライブの前日にフランス人から電話があって(名前は忘れてしまったんだけど、、、)
『友達からあなたの事聞いたんだけど、あしたの夜歌いに来れる?19時なんだけど。』
『私がソレアポルブレリアを踊って、もう一人はティエントエを踊るわ。50ユーロ払えるけど、どうかな?』
『OK!』
『じゃ明日18:30に!』
こんな感じ。初めて会うのに30分前か!
でも、彼女が妙にはっきり言い切るから、不安は感じない。
スペインにいても、日本人が2人以上いるとだとなんだかんだで事前にリハをする事が多いんだけど、
確かこの日のメンバーはフランス&アルゼンチン&スペインで、
自分以外は全員ラテン民族。
キャラが出ます。
このへんも外国でやる面白さかもしれないですね。
そして、、この時点でもまだスペインを甘くみていた自分。
当日、ギタリスト(スペイン人)は本番開始10分前に到着 笑
テレビ番組で観てたら『ヤラセ』だと思ってしまうレベル。
これ、特別なことではなくて当たり前にあります。
で、ギタリストが「ちょっと合わせよう!」と。。。
「おいっ!もう合わせないくていいんじゃないか?」と思いながら、
ササっと見て出番!!!
いざ本番が始まってしまえば、誰もが一切様子見なしでライブが進んで行く。
一気にライブが終わり、ライブ後の反省会(!?)はしません! 日本でのライブになれた人は驚きかな?
めちゃくちゃあっさりしてます。
むしろこの日に出会った人と、話して飲んで、盛り上がればフィエスタになって。
老舗のタブラオではありえないけど、
こうゆうざっくりした小さいライブだとフィンデフィエスタも勝手に出てくる人がいたり、
そんなノリから素晴らしい出会いにつながることもあります。
自分は日本にいる時、ライブを「結果を出す場所」と思っていたけど、
スペインにいるとライブは「新たな出会いがある場所」ってイメージです。
実際、あるライブをたまたま観て覚えていて、数年後のライブも見に来てくれたり、
共演者として誘ってくれたりっていうのは本当によくある話で、
演奏を通じて知り合うことの醍醐味があります。
自分のことを自己紹介とかの予備知識も無く、「ライブを通して初めて知って、興味を持ってくれる」
こんな最高なことは無いです。
もちろんしっかり準備を重ねたライブも良いけど、
この『スペインならではのライブ』でしか体験できないこともあります。
このブログを読んで少しでも興味が湧いたなら、
尻込みや心配の前にまず一度チャレンジして見てください。
みなさんからの結果報告、楽しみにしています!!

 

阿部真