人に聞かれて答えながら、「なんでフラメンコに惹かれたのか?」
自分は小さい頃から変なところで引っ込み思案でウジウジしてるの
ましてや、どう見ても人前に出て何かをやるタイプではなかった。
音楽の授業は小学校の頃から好きじゃなかったけれど、
特に合唱コンクールは学校行事の中でも大嫌いなイベントで、
クラスではできない人をなおしていくっていう方法だったから、
声が通らない自分は、頑張って歌っても「お前 歌ってないだろ!」と言われて、ほぼ毎回最後の2、
しかも罰のつもりなのか皆んなの前で歌わされるので、
恥ずかしいっていう気持ち以外に何も残らないイヤ〜
だから、
「フラメンコ!? しかも歌!!?? なんで?」とみんな驚く。
当然だと思う。自分でも不思議なくらいだから。
そんな自分が、
「へぇ結構かっこいい音楽なんだなぁ」とは思ったけど、
年が明けて3年生になる前の春休み、
スペインを選んだことにフラメンコは全く関係なくて、
行く先はバルセロナ。
スペインの中でもバルセロナを選んだのは、
ガイドブックで見たサグラダファミリアや地中海沿いの開放的な街
高校時代にテレビで観たバルセロナ五輪のイメージが残っていた事
初めての外国は刺激のオンパレードで1週間の滞在はあっという間
「あぁ もう帰国かぁ。。」なんて思っていたころ、
有名なタブラオ「コルドベス」。
そのショーで何より鮮烈に記憶に残ったのは、
前の年に文化祭で観た時には踊りや歌、
今まで聴いた事のない気持ちのいい音に興奮して、
日本に帰って4月になるとフラメンコサークルに入ることに決めた
別に「スペインのフラメンコに刺激を受けて熱意に燃えた!」
なんとなく手持ち無沙汰だったので入部してみたら意外に面白かっ
そんな流れで3,
歌を先輩やプロの人に教えてもらったり、
そこまで本格的でないにしてもそれなりにフラメンコに興味をもっ
でも、
実際、自分自身「大学を卒業したら、
ところが、自分がフラメンコにどっぷりハマってしまうのが、
六本木にあった広告プロダクションに入り、
細かく言うと代理店のデザイナーが大まかに決めたアイデアを実際
と言っても、新卒の自分は完全なるアシスタントだったんだけど。
自分が所属したチームは、タワーレコード「NO MUSIC,NO LIFE」の雑誌広告やポスター制作なんかもやっていて
会社の中でも比較的音楽系の仕事が多く、
広告業界にはよくあるブラック企業で、月〜
たまに20時頃に終わろうもんなら何をして良いか分からなくなる
一番しんどかったのは予告なく週末出勤が決まることで、
月曜から金曜の夕方まで特に大きな動きなく仕事が進んでいて、
金曜の夜22時にFAXが一枚流れてきて「週明けの月曜 朝9時にクライアントプレゼン決定」が分かると、
自動的 & 問答無用に週末出勤が決定して、
ファックスで週末出勤が決まると、まず上司から「
「食べ終わったら、そこからノンストップだぞ」
ゆっくりって言ってもそんなにお金もないし、
そして、
何かをやりたいのに、
今にして思うと、あまりに世間知らずなんだけど、「
会社に泊まらないといけない時、
ミゲル・ポベダの「Viento del este」(東から吹く風)だった。
1995年にリリースされたミゲルのデビュー作。
その前の年にムルシアで開催されたラ・
その当時のフラメンコのトップレーベルであるヌエボス・
内容は本当に飾り気が無く、
いわゆるスターたちのような煌びやかさも、
ごく普通の生活を送る日本人の自分にも共感できる「切なさ」
本当に疲労の限界ですぐにも寝たいのに、
思わず聴き入ってしまって気づくとCDが4周目に入っていて慌て
特にカルタヘネーラやティエント、
伴奏もモライート・チーコやぺぺ・
ミゲル・ポベダという人を初めて知ったのは1997年の冬。 大学4年の時。
その頃、ドゥケンデとトマティートのCD「Duquende」
本当にかっこよくて、歌詞なんかほぼ何も聞き取れなかったけど、
そんなわけで、
ところが当日会場に行くとなんと「
待ちに待っていただけにかなり意気消沈して、
そしてその時、
「で、ミゲル・ポベダってどこの誰?」と思って席についたのに、
初めて聴く第一線で活躍するカンタオールってこともあっただろう
細い一本の線が、
さっきまでのがっかりは忘れ去って、一発でにファンになった。
舞台の最後、遠くに小さく見えるミゲルに向かって、
その後、すぐにCDを買いさっきの話になるんだけれど、、、
今から思うと自分がここまでフラメンコにハマったのは、
ミゲル・ポベダの歌を(CDだけど)
かっこよく言えば、
「同情」や「励まし」じゃなく、「共感」できたから、
もちろん、
会社員時代にそれまでの自分の人生になかったストレスの中で、
『この道を続けていくか、どうか 早く決めないと人生が終わってしまう』
今に到るまでいろんな変化をしてきたけれど、
別に曲種とか声質とかそういうことじゃなくて、
自分の人生とフラメンコの音が重なった瞬間を経験したから、
今に到るまでフラメンコ魅力を感じるんだと思います。
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